またKindle読み放題だけど、「みんなが知っておくべき運用設計のノウハウ」を読み終えたので備忘メモ。
現在のシステムでは、運用がITコストの大半を占めるとも言われ、長期かつ重要な業務になることからも運用設計が重要となっている。
構築設計と運用設計の違いについて、構築設計では、「物」「機能」「購買」「仕様書スペック」「パラメータ」といったものを設計し、運用設計では「人」「非機能」「保守」「業務」「イベント」といったものを設計していく。
運用設計担当者としてプロジェクト参加する場合、要件定義→基本設計→詳細設計→テスト→移行と各工程で関わることが多い。
主な成果物として、運用設計書、詳細設計書(運用フロー、運用手順書、台帳)、テスト仕様書、移行計画書(運用担当者の教育計画など)といったドキュメントを作成する。
非機能要件について、大きく次の6点について検討する。
・可用性…必要な時にどれだけ使えるか
・性能/拡張性…どの程度の性能が発揮でき、どのように拡張していくか
・運用/保守性…運用や保守についての取り決め
・移行性…現行データをどのように移行するか
・セキュリティ…セキュリティ対策についての取り決め
・環境…電源設備や耐震免震対策など
要件定義で検討すべき具体的な項目は次の通り。
・運用体制
・アカウント管理方法
・セキュリティポリシー
・ジョブ運用
・バックアップ/リストア運用
・監視運用
・ログ運用
・稼働統計運用
・移行(ユーザ教育も含む)
・BCP/DR
運用設計書には「いつ」「誰が」「なぜ」実施するかをメインの観点として記載する。また、運用項目一覧を作成することにより、運用にかかる工数も算出できるようになる。(作らないと工数も出せない)
運用にあたって忘れがちだけど、システムのライフサイクル(○○年で更新or廃止など)を検討、顧客も含めて合意しておくことが大切。また、インシデント管理、システムの変更管理、リリース管理、構成管理、情報セキュリティ管理、サービスレベル(SLA)管理についても必要に応じて手順や台帳類を準備する。
テスト工程では運用テスト(OperationsTest)をメインに実施する。特にシステム全停止、全起動、リストアといったシステムに大きな営業を与える運用テスト項目は、サービス開始前にしか実施出来ないこともあり、必ず実施する。
システム開発を経験していれば、復習のような内容なのでサクサクと読み進められた。初めて運用設計をするような場合でも、この書籍に書かれている内容を押さえていれば大ハズレにはならないかと。
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