気になっていたシステム運用についての本。マンガ交じりで楽しくサクッと読み進められるので、普段から運用担当の方だけでなく、開発側の立場としても一読しておいた方が良いのかな、と。
(会話の中で出てくる「ぴんぐっ!」とかのよく分からない単語が気になる人は要注意かも(^^;)
運用のお仕事とは?
システムの規模などによってはハッキリ分かれていないこともあるけど、大きく次の4つに分けられるらしい。
- 業務運用
- システム運用
- ヘルプデスク
- システム統制
また、運用の中の人たちは大きく10の職種に分けられるらしい。
- 各種エンジニア(アプリケーション/Web/データベース/ミドルウェア/サーバ/ネットワーク/セキュリティ/ファシリティ)
- ITサービスマネージャ
- ヘルプデスク
こうしてみると「○○エンジニア」って職種は沢山あるイメージだけど、どれか一つの専門家というのもあまり見かけない気もする。
運用・運用者に知っておいてほしいこと
運用者のモチベーションを下げる悪魔のフレーズ
本書からいくつか抜粋
「なんでそんなに時間かかるの?」
「単純作業なのに、高くない?」
「品質下げていいから、人減らして」
「運用でカバー」
確かによく聞く言葉だし
ユーザ、営業、開発、運用それぞれの立場から「悪気なく」すれ違ってしまう、と。
・運用現場を見てもらう
・開発工程に参画する
あたりは実際にやってるし、効果もあるはず。
というより、要件定義から基本設計あたりまでは運用担当も参加してくれないと開発完了後の運用で問題多発し、仕方ないから「運用でカバー」という結論になりそう…
運用観点が欠落することでの悲しい景色
「サーバルームの作業スペースが空調の真下(寒い)
「データセンターに休憩スペースがない」
非機能要件として可能性、保守性、移行性あたりは気にしているけど、上記の2つはなかなか気付かないかも…
運用設計について知ろう
運用設計のインプットは要件定義と基本設計。
主な運用項目として以下のようなものが挙げられているけど、特に最後の2つは余裕が無いとなかなか出来ないかも。
- 監視
- メンテナンス
- バックアップ/ログ管理
- 報告
- サービスマネジメント管理
- 運用ドキュメント管理
- ベンダ管理
- 改善活動
- 新技術の調査・検証・技術向上
また、業務運用担当として「今度、大きな組織再編があるらしいよ」とか「今度、新サービスを開始するらしいよ」といったビジネス面のスケジュールや変化にアンテナを張ってシステムの影響を想像・想定して先回りできると良い、と。
社内の引っ越しなどで考慮すべき点なども触れられていて「はー、なるほど。確かにね…」という印象。
運用業務の広がり
「運用者よ、上流工程に参画せよ!」
ここに書かれていることは実際に運用が強いお客さんの開発だと、運用責任者もレビューに参加してチョイチョイ指摘をしてくるイメージがある。
結局、運用する人が納得しないシステムはなんだかんだと無理めな「運用でカバー」が発生するような気がする…
その他、クラウドとDevOpsについても触れられていたけど、ここでは割愛。
日々の成長~ITサービスマネジメント
全体的にITILっぽい話なのかな、と。
価値あるITサービスマネジメントになるための5つの要素
- わかりやすく伝える力
- フレームワーク応用力
- ナレッジ管理力
- 関係構築力
- 提言力
エンジニア同士の専門用語を使わずに図解や比喩で分かりやすく伝えたり、現場で出ているボヤキを提言したりは特に大切かな、と。
最後に
これまで開発側の立場として関わる事が多かったけど、今後も運用面で気にすべきポイントをちょこちょこ読み返して復習しなくては、と思わされる1冊でした。
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